賢いお米の選び方 2017年食味ランキング

ようこそ、ご入場ありがとうございます!

こちらの情報に関しましては

食味ランキングが改訂されましたので

昨年の情報としてご覧ください。

なお、新ランキングにつきましてはしばらくお待ちください

魚沼産こしひかりが特Aに

返り咲いたのです。

日本人の主食はご飯(お米)です。日本人の健康の源、美味しいご飯を食べてますか?お米へのこだわりはありますか?昨年(2017年)の食味ランキングが一般財団法人日本穀物検定協会から2018年3月に発表されました。

28年間特Aランクの座を守り続けてきた「魚沼産コシヒカリ」がAランクに格下げになった!

というニュース報道が駆け巡りました。皆さんはどう受け止めたでしょうか?

 

食に携わって30有余年の筆者が紐解きます。このコラムでは、どの産地が一番美味しいか、の結論付けをするつもりはありません。
なぜならば、日本人のソウルフードでもあるお米は、北海道から九州まで、全国津々浦々で作られており、その土地土地・故郷への「思い入れ」や、各家庭の「水」、「炊き方」「食生活」という個々の環境によって味が違ってくるからです。

美味しいお米を最高の状態で食べてもらいたい一心で書きとどめます。そもそも食味ランキングってなんでしょうか?目的は?特AとかBとかって何?食味試験が行われて毎年発表されているのです。

食味ランキングって何?

目的

良質なお米作りと、お米の消費拡大のために昭和46年産米から食味試験を実施し、決めています。今回で47回目、151の産地品種について実施されました。

誰が試験したのか

一般財団法人日本穀物検定協会の訓練された専門の評価員である「食味評価エキスパート」20名が実施しています。

食味ランキング区分

評価員は、様々な「項目」について、「基準と同じ」を「0」とし、これより良・不良の度合いにより「わずかに・少し・かなり」の3段階にに区分して、まずは評価値を求めています。そして、その集計、総合評価結果に基づき、基準米よりも特に良好なものを「特A」、良好なものを「A」おおむね同等なものを「A’」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」にランク付けしているのです。今回、魚沼産コシヒカリが「A」になったのもこの評価方法によるものだったのです。

29年産米の食味ランキング(30年産の決定は31年)

羅列になってしまいますので急いで飛ばして眺める程度にどうぞ。

特Aランク

    • 北海道 「ゆめぴりか」、「ななつぼし」


青森(津軽)「青天の霹靂」

    • 宮城 「ひとめぼれ」「つや姫」


秋田(県南)「あきたこまち」


山形(置賜)「つや姫」、(村山)「つや姫」

    • 福島(会津)「コシヒカリ」「ひとめぼれ」、(浜通)「コシヒカリ」、(中通)「ひとめぼれ」
    • 茨城(県北)「コシヒカリ」
    • 栃木(県南)「とちぎの星」
    • 埼玉(県東)「彩のきずな」
    • 神奈川(県央・湘南・県西)「はるみ」
    • 新潟(上越・下越・佐渡)「コシヒカリ」・・・※(魚沼)「コシヒカリ」はAランクに↓
    • 福井「コシヒカリ」「ハナエチゼン」「あきさかり」
    • 長野(北信)「コシヒカリ」
    • 岐阜(美濃・飛騨)「コシヒカリ」
    • 三重(伊賀)「コシヒカリ」
    • 滋賀「みずかがみ」
    • 京都(丹波)「キヌヒカリ」
    • 兵庫(県北)「コシヒカリ」、(県南)「きぬむすめ」
    • 島根「つや姫」
    • 岡山「きぬむすめ」
    • 山口(県西)「きぬむすめ」
    • 高知(県北)「にこまる」
    • 福岡「夢つくし」、「ヒノヒカリ」


佐賀「夢しずく」、「さがびより」

    • 熊本(県北)「ひのひかり」、「森のくまさん」


大分(豊肥)「ヒノヒカリ」、(西部)「ひとめぼれ」

  • 鹿児島(県北)「あきほなみ」

と、特Aランク 計43銘柄となりました。

Aランク

  • 北海道 「ふっくりんこ」
  • 青森(津軽)「つがるロマンまっしぐら」
  • 岩手(県中)「あきたこまち」、(県南)「ひとめぼれ」、(県中)「ひとめぼれ」「銀河のしずく」
  • 秋田(県北)「あきたこまち」、(中央)「あきたこまち」「ひとめぼれ」、(県南)「ゆめおばこ」
  • 山形(置賜)「はえぬき」「コシヒカリ」、(庄内)「はえぬき」「ひとめぼれ」
  • 福島(中通)「コシヒカリ」「天のつぶ」
  • 茨城(県央)(県南・県西)「コシヒカリ」、(県南)「あきたこまち」
  • 栃木(県北)「コシヒカリ」、(県南)「あさひの夢」(県北)「なすひかり」
  • 群馬(北毛)「コシヒカリ」、(東毛)「あさひの夢」
  • 埼玉(県東)「コシヒカリ」、(県北)「彩のかがやき」
  • 千葉(県北)「コシヒカリ」、(県南)「コシヒカリ」(県北・県南)「ふさおとめ」(県北・県南)「ふさこがね」
  • 新潟(中越)「コシヒカリ」、(魚沼)「コシヒカリ」、(岩船)「コシヒカリ」「こしいぶき」
  • 富山 「コシヒカリ」「てんたかく」「てんこもり」
  • 山梨(峡北)「コシヒカリ」
  • 長野(南信)「コシヒカリ」
  • 岐阜(美濃)「ハツシモ」
  • 静岡 「コシヒカリ」、(東部・中部・西部)「きぬむすめ」「 にこまる」
  • 愛知 「あいちのかおり」、(三河中山間)「ミネアサヒ」
  • 滋賀 「コシヒカリ」「秋の詩」
  • 京都(丹後)「コシヒカリ」(丹波)「コシヒカリ」
  • 兵庫(県南)「ヒノヒカリ」
  • 奈良 「ヒノヒカリ」
  • 和歌山(県北)「きぬむすめ」
  • 鳥取 「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「きぬむすめ」
  • 島根 「きぬむすめ」
  • 岡山 「ヒノヒカリ」
  • 広島(北部)「コシヒカリ」「北部あきさかり」
  • 香川(中讃)「ヒノヒカリ」、(東讃・中讃・西讃)「おいでまい」
  • 愛媛 「ヒノヒカリ」「にこまる」
  • 高知(県西)「にこまる」
  • 福岡 「元気つくし」
  • 佐賀 「コシヒカリ」
  • 長崎 「にこまる」
  • 熊本(県南)「ヒノヒカリ」、(県北)「コシヒカリ」、(県南)「くまさんの力」
  • 大分(北部)「ヒノヒカリ」、(東部)「ヒノヒカリ」
  • 宮崎(西北山間)「ヒノヒカリ」、(霧島)「ヒノヒカリ」「おてんとそだち」

以上 Aランク 計 76銘柄でした。

この他、A’ランクが32銘柄ありました。どうですか、あなたの御贔屓な銘柄はありましたでしょうか?

いずれのお米も生産者の方が汗水たらして一生懸命に作られた大地の宝物です。個人的にはあまりランキングは好きではありません。当然、自然災害等、作況指数もありますので、あくまでも参考程度にされてください。

そもそも魚沼産コシヒカリって本当においしいのでしょうか?ブランド米って何なんでしょうか?まずは話題の魚沼産コシヒカリとは何なのかから説明します。

魚沼産コシヒカリを知りましょう

全国各地の生産者が意識するのがこの銘柄です。まずこれを知っておくことが肝要です。

魚沼産コシヒカリは、新潟県魚沼地域(5市2町:小千谷市、長岡市(川口)、魚沼市、南魚沼市、湯沢町、十日町市、津南町)で収穫される、コシヒカリBL(9割以上)およびコシヒカリ(1割以下)の米の産地ブランドです。

【精米】魚沼産 白米 コシヒカリ 5kg 平成29年産

気候

越後平野は、対馬海流の影響で冷害がなく日本海側気候のため、夏季に晴天日が多く日照時間が長いのです。魚沼は、盆地のため気温の日較差が大きくイネの消耗が少ないため澱粉の蓄積条件が良く大粒の良質米ができるのです。

水量・水質

豪雪地帯のため、水量豊富で水質の良い冷水が夏の時期にも田んぼに入る用水は、透明度と溶存酸素値が高く、窒素燐酸などの有機物の汚染が少ないのです。。

土壌

火山灰土・黒ボク土が広く分布して下層にはレキ層が点在、姥沢川・登川・魚野川・破間川・信濃川の河岸段丘や扇状地に広がる沖積土壌のため、土壌窒素供給力が小さく生育初期の養分供給が少ないため生育過剰が抑制されるのでコシヒカリの栽培に適しているのです。

栽培条件

コシヒカリの弱点である、耐倒伏性・いもち病抵抗性に対応した栽培技術では耐倒伏性の欠点は、多肥栽培でなく肥料を抑制するため食味向上になり、いもち病対策としては「コシヒカリBL」に更新して抵抗性があるため、低農薬栽培になっています。

以上のように、豪雪がもたらす、ミネラルを多く含んだ清涼な雪解け水。 昼夜の寒暖差が育む、もっちりとした弾力性のある味。 そして、生産者たちが手間ひまをおしまず、 愛情を込めて育てた魚沼コシヒカリは、一粒一粒が真珠のように輝く、 美しく、美味しいお米なのです。

日本穀物検定協会の米食味ランキングで1989年(平成元年)より、2016年(平成28年)までの28年連続「特A」認定と国内最高評価を受けていたのでした。1993年(平成5年)に発生した平成の米騒動でも、「特A」認定を受けた国内唯一の産地でもあります。

ところが、上述した通り、今回初めて特Aランクから落ちたのです。ただし、昨年は珍しく「冷害の被害」を受けており打撃だったようです。また返り咲くことと思います。それではこの魚沼産を上回った、特Aランクのお米を見てみましょう

特Aランクの主な銘柄

その魚沼産に追い付け追い越せ、と全国各地「ブランド米」作りでしのぎを削っており、その成果を競い合っています。ほんの一部ですが、代表的なものをあげてみます。

北海道「ゆめぴりか」

【精米】【Amazon.co.jp限定】 北海道産 農薬節減米 白米 ホクレン ゆめぴりか 5kg 平成29年産

北海道で、最近突出してきたブランド米です。日本を代表する良食味米「コシヒカリ」と、それを改良した「あきたこまち」に、北海道を代表する「おぼろづき」の遺伝子を導入するなど、「美味しさ」を武器にする数多くの品種を掛け合わされた結果生まれました。

青森(津軽)「青天の霹靂」

【精米】青天の霹靂 青森県産初の米最高評価「特A」米 5キロ

「ひとめぼれ」の系統で、品種改良を重ね、「F1」と「青系158号」の交配から誕生しました。お米の特徴としては、「ひとめぼれ」などの食味の良さを受け継ぎ、上品な甘みを持っています。粒がやや大きめで、ふっくらとツヤのある炊きあがり、適度な粘りとキレがあるバランスのいいお米です。

宮城 「ひとめぼれ」

【精米】宮城県産 白米 ひとめぼれ 10kg 平成29年産

宮城県で最も生産量の多いお米が「ひとめぼれ」です。平成3年にデビューしたひとめぼれ。平成5年の大冷害でもおいしいお米を実らせ、冷害にも強いことで一躍作付けが増えました。味が逸品!ひとくち食べてはっきりわかる美味しさは、まさに「おいしさを直感」して「ひとめぼれ」できるお米です。

他に「つや姫」「ササニシキ」「伊達正夢」などがあります

 

山形「つや姫」

山形県産 白米 つや姫 5kg 平成29年産

交配から10年の歳月をかけて、ようやく、その美味しさにより“コシ(ヒカリ)を抜かす”米、「つや姫」を育成しました。山形の風土が生んだ、わが国の美味しいお米のルーツとなる「亀ノ尾」、際立つ「粒の大きさ」、「白い輝き」「旨さ」、「香り」、「粘り」は、ごはんそのものがご馳走という自信のブランド米です。

 

島根「つや姫」

株式会社JAアグリ島根 つや姫 (島根県産つや姫) 5kg (29年産)

東の魚沼コシヒカリ、西の仁多米と並び称される奥出雲町が有名な米どころである島根県のお米。「つや姫」が特Aランクとなりました。

熊本 「森のくまさん」

【精米】 熊本県産 白米 森のくまさん 5kg 平成29年産

「森のくまさん」は、熊本県の県農業研究センターで、母「ヒノヒカリ」と父「コシヒカリ」を交配して作られた品種です。米粒は、普通のお米よりやや細く、食感は弾力がありもちもちし、粘りが強いお米です。また味が良く甘味があって、登場したてのお米ながら、コシヒカリを凌ぐのではと言われています。

代表的なものをみてきましたが、どうでしたでしょうか?毎日お米に携わっている筆者ですが、どれが一番、と結論付けることは出来ません。どこの産地も優劣つけがたく、繁盛している和食店もそのお店の特徴を出すために、ブレンドしたり、古米を混ぜてみたり試行錯誤しているお店が少なくありません。ランクが上がったとか落ちたとか気にするよりも自分の好みを探すべく試してみてください。そして食べ比べてみてください。近くのお米販売店で自分の好みを伝えて選んでいただくのもいいでしょう。

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