女性の尿失禁、薬物療法よりも行動療法?
どうも!はぎおまさるです!

日本全国津々浦々、転勤で30有余年住み歩き還暦を迎えた経験から、ファイナンシャルプランやヘルスケアを発信しています。
今回は HealthDayNewsを出典元に、尿失禁についてのヘルスケア情報をお届けします。
目次
尿漏れ・尿失禁の治療法
尿漏れに悩む女性にとって、薬物療法よりも行動療法の方が症状改善に有効なことが、米ニューメキシコ大学女性泌尿器科のPeter Jeppson氏らが実施した研究から明らかになった。研究の詳細は「Annals of Internal Medicine」3月18日オンライン版に発表された。

米国立衛生研究所(NIH)によると、女性のほぼ半数は、生涯に一度は尿漏れを経験する。尿失禁は男性でも見られるが、発症頻度は女性の方が高く、特に妊娠中や出産後、閉経後に発症することが多いという。
今回、Jeppson氏らは、妊娠していない女性を対象に薬物療法と行動療法などの非薬物療法の有効性を検討したランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューを実施。基準を満たした84件のRCTを対象にメタ解析を行った。
その結果、全般的な尿失禁の軽減効果は、行動療法が薬物療法を上回ることが分かった。また、行動療法を受けた女性では、未治療の女性と比べて5倍以上の症状改善率を示すことも明らかになった。一方、薬物療法を受けた女性でも症状は改善したが、行動療法ほどの効果は認められず、未治療の女性と比べても改善率は2倍だった。
Jeppson氏は「尿失禁が見られる女性には治療を促すべきだ。治療法の選択肢はたくさんあるが、そのほぼ全てについて言えるのは、何もしないよりは治療した方が良いということだ」と話す。
専門家の一人で、米ミシガン・メディシンのウェスト・ショア・ウロロジー(泌尿器専門施設)に所属するBrian Stork氏によれば、利尿作用があるカフェインやアルコールなどの摂取を控えるといった食習慣の是正や、骨盤底筋を鍛えるトレーニングが尿失禁症状の改善に有効な場合がある。また、患者によっては減量により膀胱にかかる圧力が軽減され、尿失禁が改善することもあるという。
一方、米マウントサイナイ・ウエスト病院女性泌尿器科のAnne Hardart氏は「尿意を感じたらすぐにトイレに行かず、膀胱に尿を貯める膀胱訓練も排尿コントロールに役立つ」と話す。なお、尿失禁には主に、咳をする、重い物を持ち上げるなどで腹圧がかかったときに生じる「腹圧性尿失禁」と、突然の制御できない尿意により生じる「切迫性尿失禁」の2つのタイプがある。同氏によると、生活習慣の是正はいずれのタイプの尿失禁にも有効だが、骨盤底筋を鍛えるトレーニングは、特に腹圧性尿失禁に有効だという。
ただ、Hardart氏は「一般に医師はリスクを伴わない行動療法で治療を開始するが、患者本人が主体的に関わる必要があり、決して簡単な方法ではない」と指摘している。一方、Stork氏は、軽度の認知症や脳卒中の後遺症などがある女性では、訓練法を覚えて継続することが難しく、薬物療法が必要になる場合もあるとしている。
なお、尿失禁の治療には、過活動膀胱の治療薬であるオキシブチニン、トルテロジン、darifenacin(ダリフェナシン、日本国内未承認)などが使用される。今回の研究からは、これらの薬物療法は、未治療の場合と比べれば尿失禁の改善に役立つが、切迫性尿失禁の軽減には行動療法の方が有効であることが示された。また、行動変容や薬物療法が効かない場合には、膀胱をコントロールする神経に電気刺激を与えるニューロモデュレーションという治療法も、未治療の場合に比べて症状改善効果が約4倍に上ったという。
これらを踏まえ、Hardart氏は「尿失禁の治療には幅広い選択肢があり、その多くは非侵襲的なものだ。女性は尿失禁に苦しみ続ける必要はない」と述べている。(HealthDay News 2019年3月18日)

尿失禁〔にょうしっきん〕
尿失禁とは、不随意(ふずいい)に尿が漏れる状態をいいます。がまんしようとしても、もしくは気がつかないままに、尿が尿道から漏れてきてしまいます。
症状や病態から、尿失禁は腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、混合性尿失禁、溢流(いつりゅう)性尿失禁、機能性尿失禁などに分類されます。尿失禁にはいろいろな種類があるので、種類をあきらかにしたうえで治療しなければなりません。尿失禁の種類によって薬も違ってきます。残尿測定、尿流動態検査、尿路の超音波(エコー)検査などで種類を特定します。
■腹圧性尿失禁
腹圧性尿失禁は女性に多く、せき、くしゃみ、重い物をもつなどで腹圧がかかったときに尿が漏れるものです。出産時の外陰部の損傷や肥満が関係します。尿道を締めている尿道括約筋(かつやくきん)のはたらきが弱まったために、膀胱(ぼうこう)の尿の圧力に抵抗できずに漏れてしまいます。
治療としては、骨盤底の筋肉の訓練や手術がおこなわれます。薬剤はあまり効果がありません。手術では尿道の周囲の抵抗を上げるような方法を用い、重症例でもほぼ完全によくなります。
■切迫性尿失禁
切迫性尿失禁とは、急に尿がしたくなってトイレに間に合わずに漏れてしまうものです。男女を問わず高齢者で多く、脳血管障害(脳出血や脳梗塞)の後遺症としても見られます。原因としては、抑えがきかずに膀胱の筋肉が収縮してしまうためとされていましたが、膀胱にためられる尿量が少ない、尿意を感じるのが遅過ぎるなどの異常も関係しています。治療では、骨盤底の筋肉の訓練、尿意のがまん、薬剤などが用いられます。
■混合性尿失禁
混合性尿失禁とは、上記の腹圧性と切迫性の両方の尿失禁をもっている場合です。どちらが病気の主たるものかを見極めて、原因となっているほう(もしくは両方)を治療します。
■溢流性尿失禁
溢流性尿失禁は、症状としては上の3つとあまり区別がつきません。特徴的な症状は、昼夜を問わず少量の尿が漏れ続けることですが、いずれにしても症状だけでは診断は困難です。これは、膀胱にたまった尿が出せなくて、尿があふれて流れ出ているのです。たとえば、高度な前立腺肥大症 や(前立腺がん #0750-36)、膀胱の収縮する力が非常に弱くなった状態などが原因となります。
したがって、治療は原因となった病気によって変わってきます。
■機能性尿失禁
機能性尿失禁とは、膀胱や尿道に大きな異常はないが、トイレに移動できない、介助してもらうにも尿意が伝えられない、トイレで準備ができないなどの理由で尿漏れにいたる場合です。介護の方法を変える、体力が弱っていればそのリハビリをおこなうなどの方策が取られます。
このほか、尿道外から尿が漏れることもあります。たとえば、婦人科の手術をしたあとに尿管と腟(ちつ)がつながってしまい、少量の尿が漏れてくることがあります。生まれつき尿管が外陰部に開いていることもあります(尿管異所開口)。


女性の尿失禁
記事更新日:2018.05.01 20:25 尿失禁とは、不随意(ふずいい)に尿が漏れる状態をいいます。がまんしようとしても、もしくは気がつかないままに、尿が尿道から漏れてきてしまいます。症状や病態から、尿失禁は腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、混合性尿失禁、溢流(いつりゅう)性尿失禁、機能性尿失禁などに分類されます。尿失禁にはいろいろな種類があるので、種類をあきらかにしたうえで治療しなければなりません。尿失禁の種類によって薬も違ってきます。残尿測定、尿流動態検査、尿路の超音波(エコー)検査などで種類を特定します。
女性に多いのは腹圧性尿失禁です。せき、くしゃみ、重い物を持つなどで腹圧がかかったときに尿が漏れるものです。出産時の外陰部の損傷や肥満が関係します。尿道を締めている尿道括約筋(かつやくきん)のはたらきが弱まったために、膀胱の尿の圧力に抵抗できずに漏れてしまいます。治療としては、骨盤底の筋肉の再訓練や手術がおこなわれます。薬剤はあまり効果がありません。手術では尿道の周囲の抵抗を上げるような方法を用い、重症例でもほぼ完全によくなります。
女性だけではありませんが、高齢になると多くなるのが切迫性尿失禁です。急に尿がしたくなってトイレに間に合わずに漏れてしまうものです。脳血管障害(脳出血や脳梗塞)の後遺症としてもみられます。原因としては、抑えがきかずに膀胱の筋肉が収縮してしまうためとされていましたが、膀胱にためられる尿量が少ない、尿意を感じるのが遅すぎるなどの異常も関係しています。治療では、骨盤底の筋肉の再訓練、尿意のがまん、薬剤などが用いられます。
上記の腹圧性と切迫性の両方の尿失禁を持っている混合性尿失禁もあります。どちらが病気の主たるものかを見極めて、原因となっているほう(もしくは両方)を治療します。
このほか婦人科の手術をしたあとに尿管と腟がつながってしまい、少量の尿が漏れてくることがあります。
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